Taste of Tsukuba Project part 4



4. 激戦のHERCULES 12LAPの決勝は波乱の展開へ



「予選 コンマ数秒先のレコードタイム」


 結果として、先にコースレコードにたどり着いたのは加賀山選手だった(GALE SPEED TYPE-SB1ホイールその他装備してるよ!)。

 57秒731をマークし、自身のもつ記録をコンマ055更新。しかし当日の一番時計をさらっていったのは件の渡辺選手で、予選後半に差し掛かる中、加賀山選手をコンマ約3秒と大きく上回るラップを叩き出し、全日本・EWC・鈴鹿8耐と第一線で活躍してきた手腕を見せつける(賞典外のためレコードにはならず)。

 ライバルの好タイムに挑むべくクリアラップを探していた新庄選手も、予選終了直前に渾身のアタック。
皆が手に汗握って見守る中、1周を上手くつないでチェッカーを受けるも58秒フラットでわずかに届かず。
タイムバトルの軍配は渡辺選手に上がった。




「決勝 ベストタイムで先を行く2台を抑え込むも…」


 新庄選手予選最後のアタックは気合いが入り過ぎたか、コース外走行を指摘され幻のラップに。
決勝は、渡辺選手・加賀山選手・光元選手に続き、4番グリッドからのスタートとなった。

 トップスピードで勝るライバルと互角に渡り合いレースを盛り上げるのは、あくまでZRX1200Sのフレーム&エンジンにこだわる新庄選手の真骨頂。今回もスタートラップから先頭に躍り出て会場を沸かせる。

 序盤は何度か加賀山選手や渡辺選手に先行を許すもトップを取り返す展開を見せ、もしやこのまま接近戦が続けば・・・と期待が高まっていく中、赤旗中断のアクシデントが発生。
一台のマシンがエンジンブロー、広範囲にわたって路面にオイルが撒かれてしまったのである。
 幸いにもトップ集団はオイルの被害を免れたが、コース清掃に大幅な時間を要することとなった。



「夕日が沈みゆく中 第2レースは5LAPのスーパースプリント」


 アクシデントの時点でレースは7LAP消化。規則的に再レースの周回数はギリギリ残ったラップを消化するライン。
 つまり第2レースはスーパースプリント、一発でレースが決まる短期決戦となった。 しかし気温低下か、路面コンディション悪化か、あるいは一度熱の入ったタイヤが冷えてしまったからか・・・

 長いインターバルをはさんだ後、新庄選手のマシンはセットが全く合わなくなってしまった。
薄氷の上を走っているかのようにタイヤがグリップせず、ギリギリついていくのがやっとという状況で、5LAPは反撃のチャンスも無く終わってしまった。チェッカーは加賀山選手から渡辺選手、光元選手、そして新庄選手の順。
SATSUKI STAGEからの連勝は叶わなかった。




 だが表彰台に上がった新庄選手はというと、どこか清々しさもあった。勝ったときは嬉し泣き、負けたときは悔し泣きと、いつも男泣きをみせてた彼とは違った様子。加賀山選手と一緒に、賞典外だった渡辺選手を表彰台に呼び込み、お互いの賞賛とイジリを交えマイクパフォーマンスで観客を沸かせていた。純粋に満足いくバトルがあったのか、或いは既に次のT.O.Tに気持ちが向いているのか。「次は勝つ!」というニュアンスのセリフが多かった印象だった。

 次回Taste of Tsukubaは2024年5月11日-12日。
新庄選手とチームFirst☆Star AUTOBOY ACTIVEは既に次戦に向けた取り組みを始めています。
もう一度表彰台の真ん中へ、そしてレコード樹立へ!リベンジにご期待ください。

 P.S.
ZRX新庄選手応援団が、隼加賀山選手応援団よりも集まったら、燃えに燃えて今度こそいけちゃうかも!? お祭り男ですしね、彼!



1
2
3
4