2023.5.13-14 Taste of Tsukuba Project part 3



2.リンク式ツインサスのポテンシャルを引き出す



「カギとなるのは最適なアクスル荷重」


~ツインショックのリンク機構化 最大のメリットとデメリット~

 モノショック車両が増える中、機構的にポテンシャルの限界を超えたツインショックにリンクを投入することで、ストローク量0.1mm単位のアクスル荷重をコントロールできるようになる。これは、コース上のどのシチュエーションでも最適な荷重でタイヤを路面に押しつけ続けるために必要な要素である。




スプリングレートを変えずにリアアクスル荷重を調整

 スイングアームのストロークに合わせてリアアクスル荷重が適切に変化するよう、トルクロッドとリンクプレートを設計。また、トルクロッド長やショック長を調整することにより、リンク比が変わりアクスル荷重のリセッティングが可能。


 
リンク式に必須のトルクロッド締結部分は、レイアウトの制約もありフレームではなくスイングアームを貫通する設定に。 自社設計だからこそ強度計算も十分に担保し大胆なアイデアを投入できた。
 
 
1G状態から荷重を与えていくと、ストロークするスイングアームがトルクロッドを介してリンクを押し出し、リアショックユニットの上部マウントの位置もサスペンションを縮める方向に変化。こうしてリアが沈めば沈むほど通常よりサスペンションがストロークするため、アクスル荷重も増やすことができる。






セッティングが複雑化、セットアップのハードルが高い

 調整できる幅が広いということは、それだけセッティングの行程が複雑ということ。
狙ったサスの動きを実現させるまでに、通常のツインショックとは異なるアプローチが必要になることも。





「秘密兵器 トップアウトスプリングの投入」


~参戦歴から見えてきた課題と今回のアプローチ~

 これまでの新庄選手のライディングスタイルでは、ハイレートのリアスプリングでプリロードを多めにかける傾向が合っていた。これをリンク式ツインショックにすれば高負荷時のアクスル荷重を担保しつつバネレート&プリロード量を下げ、低中速域でのコントロール性も両立できる。はずだった。 だが実際、プリロード量を下げていくとリアのフィーリングは芳しくなく、リンク式のメリットを生かし切る領域まで到達できなかった。
  果たして何が足りないのか…弊社HYPERPRO開発担当が辿り着いた答えは、更にセッティング幅を広げるトップアウトスプリングの装着だ。


ショックユニットを簡易的に表した図。スピンドルの先に固定されたピストンは、サスペンションが伸びるほどシールブロックに近づいていく。トップアウトスプリングはサスペンションが伸びきる手前、つまりピストンとオイルブロックの接触手前で反力を発生する。

 これはというと、サスペンションが伸びる動きに反発するスプリングである。主にサスが伸び切る手前でタイヤへの荷重を高める効果を発揮する他、メインスプリングのプリロード特性にも関わってくる。高性能フロントフォークやリアモノショックには採用されることが多いが、ツインショックではあまり例を見ない。ACTIVE社内で既存スプリングを手削りした試作トップアウトスプリングを製作。これで足りないピースが揃ったはず…







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